スーパーは楽しい場所であってくれ

内見もしないで選んだ部屋は、思いのほか居心地がよい。これまで住んできた一人暮らしの部屋は二階建ての小さなアパートばかりだったから、遠くまで見渡せるこの部屋がとても新鮮だ。

このマンションはBSが見れると知って、早速BSよしもとにチャンネルを合わせる。付けた途端に元気のいい「か!ら!あ!げ!4!」の声が聞こえて、思わずにっこり。いつの配信のものか分からないけど、二人して楽しそうで少し元気が出た。

雨があがっていたので、歩いて5分の聞いたことない名前のスーパーへ。入って早々カゴがないことに混乱するも、「ここはカートに直接買うものを投げ込むらしい」と周りのお客さんを見て察知する。カートを押しながら並んでいる商品を眺めるけど、カートが必須なせいで小回りが利かない。棚も購買意欲をそそらない配置だし、買い物のしにくさに思わず挙動不審になる。なんだここは。カートがやたらと背が高くゴツいため、そもそも日本人サイズじゃないように見える。なんだか見知らぬ街を飛び越えて、聞いたことない国のスーパーマーケットに来てしまったような、なんとも言えない不安な気持ちが押し寄せてくる。

ああ、おらがの国のマックスバリュが恋しい。ここのスーパーはよっぽど必要に迫られない限り使わなくてすむように、職場から家までの間で推しスーパーを見つけようと誓う。

段ボールから何とか全て荷物を出し終えて、明日からいよいよ就業だ。まず会社まで間違わずに行けるのか、何分前に出れば間に合うのか、今から不安で死んでしまいそう。

とにかく一日ちゃんと会社にいられたら100点ってことで。どうかひとつ。